
証券パートナーズの三好です。
今回は「つみたてNISAでいくら儲かるのか」というテーマでお話しします。
- つみたてNISAでどのぐらい資産が増えるか知りたい方
- 積立投資のメリットとデメリットを知りたい方
- 一括投資と積立投資の違いを知りたい方
今回はつみたてNISAを長期で行った場合、どのような結果になるのか検証していきます。
なぜこのシミュレーションを行うと思ったかというと、積立投資のメリットとデメリットをしっかりと理解してもらおうと思ったからです。
というのも積立投資や長期投資は、皆さん最初の頃は「よし、やるぞ」と思っていても、残念なことに統計では4年以内にやめる人が大半なんですね。
しっかりとメリットとデメリットを理解して、多少の上げ下げにも動じない投資姿勢が必要です。
今回のシミュレーションを見てもらうことで、具体的なイメージが湧いて自信を持って積立NISAに取り組めるようになりますので、是非最後までご覧ください。
つみたてNISAでいくら増える?


今回のシミュレーション投資対象は「外国株式インデックスオープン」という投資信託です。
日本株でもいいんですが、実績で判断すれば長期的に値上がりしている外国株式のインデックスが一番無難かと思います。
よりリスクを取って運用成果をあげたいという方は、ナスダック指数に連動するインデックスを加えたり、日本株だと中小型株に投資しているアクティブファンドを組み入れても面白いかと思います。
外国株式という名称ですが、中身の8割はアメリカの株式になっていますので、S&P500のインデックスファンドでも代用できると思います。
そして毎月の積立金額ですが、今回は3万円として計算しています。
1年間・積立投資した場合


まずは1年間積立投資した結果です。
3万円を12ヶ月積み立てているので、合計で36万円の投資になっています。
それに対して評価額が367,000円になっていますので、金額的には少ないですが2%ほどのプラスになっています。
ですが1年ですのでこれくらいは誤差の範囲です。気にせず続けましょう。
3年間・積立投資した場合
続いて3年間で108万円、積立投資結果は112万円です。
あまり増えていないように見えますが、年率で計算すると1.5%程度増えていることになります。
銀行預金より良いかなという程度ですね。
あと注目していただきたいのが、こちらの一時的に落ち込んでいる部分。


これは今年のコロナショックで下がった部分ですね。一時的ではありますが元本割れしています。
ここで重要なポイントですが、積立投資は下落相場で止めてはいけないということです。
積立投資ではこれが一番大事な考え方です。
むしろ下落中は多少増額するぐらいの勢いで投資を続けてください。
積立投資は下がっても買い続けるから安いところで買えるのがメリットなのに、なんとなく始めた方は怖くなってやめちゃうんですよね。
実際は逆です。下がっても続けてください。
5年間・積立投資した場合


続いて5年目を見ていきます。
180万円の積立投資結果が206万円ですね。金額は地味に見えますが、15%増えています。
5年で15%と言うとどうでしょう?
年平均だと3%です。まずまずといったところでしょうか。
続いて10年間で行きましょう。
10年間・積立投資した場合


10年も続けると雰囲気が変わってきます。
360万円積立投資結果が593万円です。1.6倍ですね。
年平均にすると5%で増えていることになります。これだけ増えたら嬉しいですね。
ただもう少し我慢して続けてみましょう。
15年間・積立投資した場合


続いては15年間の投資結果。
540万円積み立てて1005万円になっています。およそ1.8倍です。
ここまで続けられる方はかなり少ないでしょうけど、結果として大きく増えていますね。
20年間・積立投資した場合


そして最後に20年間の投資結果。
ここまで来たら投資している事自体、忘れているかもしれませんね。
720万円投資して1489万になっています。ここでやっと2倍以上になっています。
リーマンショックもコロナショックも乗り越えてこの数字ですね。
平均にならすと年3.5%ずつ増えている計算です。
ここまで見ていただいてどうでしょうか?
なんとなく積立投資の良さが伝わったと思いますので、改めて積立投資のメリットとデメリットについてお話します。
積立投資のメリット
積立投資のメリットは一言。
それは「楽」です。
これが一番大きいですね。
毎月決まった日に決まった金額が銀行口座から引き落とされて自動的に投資されます。
いつ買おうとか考えなくても、まずは長く続ければ結果としてプラスになる可能性が高いです。
これは精神的な負担が軽いということにもつながります。
今回のコロナショックのような大暴落になっても「安く積み立てられるバーゲンが来た」くらいに考えておけばいいんです。
それくらいある意味で無神経に考えておけば長く続けられると思います。
楽で長期的に続けておけば、絶対ではないですが儲けられる可能性が高いというのが積立投資のメリットです。
初心者の方や今から資産を作っていくという若い方にはオススメなんですね。
ただし積立投資にもデメリットはあります。
積立投資のデメリット
デメリット➀ 面白みがない
これは様々な意見があると思います。ただ投資する限り、株式を売ったり買ったりしたいな、とかそういう風に考える方もいるかと思います。
全然気にせずほったらかしで積立投資できるという方はいいんですが、色々リスクを取ってみたいなという方もいらっしゃいます。
そういった場合はリスクを取るお金と、じっくり運用するお金を3対7で分けて頂いて、積立を7、残りの3で個別の株式に投資するという風にお金の色分けをしてもらえばいいと思います。
デメリット② 時間がかかる
見ていただいた通り、積立投資には結果が出るまでに時間がかかります。
20代から40代の方であれば何十年という単位で投資が出来るので積立投資はお勧めです。
ですが、60代・70代を過ぎてくると時間的にも厳しい面がありますし、私の経験上ご自身の為にするというよりは息子様やお嬢様またはお孫さんのために行ってあげる、という方が多いですね。
また金額的にも1000万円以上余裕資金があって投資に回せると言うのであれば、月々3万円や5万円を積立投資することは効率が悪いのでお勧めしません。
では50代後半もしくは60歳以上という方はどうすればいいのかと言うと、ここで積立投資のデメリット三つ目が関係してきます。
デメリット③ 一括投資に劣る
まとまった金額がある、もしくはご年齢的にも投資を何十年も続けられないという方は、まとまった金額で一括投資してください。
参考に先ほどのシミュレーションですが、一括投資と比べてみましょう。
経過年数 | 投資額 | 一括投資の場合 | 積立投資の場合 |
---|---|---|---|
3年 | 108万円 | 123.76万円 | 112.72万円 |
5年 | 180万円 | 215.89万円 | 206.15万円 |
10年 | 360万円 | 1096.04万円 | 593.43万円 |
20年 | 720万円 | 1620.03万円 | 1489.75万円 |
3年で計算すると一括投資の場合はまとまって108万円を最初に投資した場合、3年後に123万円になります。
積立投資はコツコツ投資して112万円なので、一括投資の方が1割程度運用成果が上回っています。
5年で比べても180万円を一括投資した場合、運用成果は215万円。積立では206万円になっています。
10年で比べると結構大きな差が開いていて、360万円を一括投資していると1096万になっています。
積立投資では593万円になっていて、それでも十分嬉しいのですが一括投資の方が大きく増えています。
またそれ以上遡っても、積立投資が一括投資よりも評価額が上回っている時期は今まではありません。
これはなぜかと言うと投資対象の米国株に理由があります。


皆さんもご存知の通り、米国株は長期的に買って置いておけば値上がりし続けているという状態で今まで動いてきました。
ですので早く購入しておいておいた方が、その分、値上がりの恩恵を受けられたんですね。
積立投資は値上がりしている途中でも買い続けますので、その分、平均単価は上がってしまいます。
ですので積立投資でももちろんプラスなんですけど、一括投資に比べると運用成果は劣ってしまいます。
あとは株式の配当を考慮するとさらに差は開いていくと考えられます。
投資対象を米国株投資にした場合は、一括投資に比べると全体投資は運用成果は劣ってしまうという点をご理解ください
まとめ
まず、20~50代の現役世代の方は、メインは積立投資で毎月コツコツ投資してください。
これは上がろうが下がろうが放置です。
ただ、ボーナス等でまとまった金額があるよ、という方は月々の投資金額を増額する。
もしくは、できるなら勉強して長期的に伸びそうな有望中小型株に投資するのが理想です。
ただそれが難しいと思われる方は、月々の投資金額を無理ない程度に増額することをお勧めします。
そして60代以上で資産もある程度まとまってある方に関しては一括投資をお勧めします。
リスクに応じて債券などを組み合わせるのが理想ですが、これはしばらくは動かさないという資産は「7:3」の7の部分としてじっくり寝かせて、残りの3の部分で個別株の投資やリスクを取った運用をするのが理想だと思います。
60歳以降で積立投資を選択肢に入れるのは、資産運用が初めてでまとまった金額で行うのが怖いと言った方や、運用目的がお子様やお孫様のためといった場合には考えられるかと思います。
ご自身の資産規模やリスク許容度、あとは健康状態などによっても変わってくるかと思います。
そのあたりのバランスを見て判断していただければと思います。





それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。