
証券パートナーズの三好です。
今回は「投資信託の基本について」お話しします。
- 投資信託の勉強を始めたい方
- 投資信託を始めようと考えている方
- ファンドを選ぶポイントを知りたい方
「投資を始めてみようかな」と思った際に、投資信託はひとつの選択肢になると思います。
ただ実際、投資信託は国内におよそ6000種類もの商品があり、ご自身で選ぶ際「何をどう見ればいいのか」「何を基準に判断すればいいのか」分かりづらい部分も多いと思います。
投資信託の基本に関しては一通り分かったと思って頂けるよう、噛み砕いてお話ししていきます。
投資信託とは


投資信託とは「複数の投資家から資金を集め、その集めた資金をプロの運用会社に任せる」という商品です。
投資信託という言葉の名の通り「投資を信じて託す」ということです。
最低購入金額は証券会社によっても異なりますが、ネット証券では100円単位で購入できるところもあります。
この投資信託には3人の登場人物がいて、販売会社・運用会社・受託会社という三者が関係します。
- 販売会社
-
販売会社は、その投資信託を販売している金融機関のことです。
○○銀行や△△証券といった皆さんが購入する際の窓口となる金融機関を販売会社といいます。 - 運用会社(ファンド)
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運用会社は、投資したお金を集めて実際に運用するのが運用会社です。
よく「ファンド」という言葉を聞くと思いますが、これは運用会社を指していることがあります。
もしくは、投資信託自体をファンドとも言いますので、その辺りは文脈で聞き分けてもらえたらと思います。 - 受託会社
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受託会社は、皆さんの投資した資金を管理している会社です。
受託会社のことはそこまで気にしなくても大丈夫です。
ここで注意してほしいのですが、販売会社は投資信託を販売しているだけで運用には何も関わっていません。
今回は分かりやすく、「ひふみプラス」という商品を参考に説明します。


例えばこの商品をみずほ銀行で購入したとして、みずほ銀行は運用自体には関わっていません。
この商品を実際に運用しているのは、この資料に書いてある運用会社「レオス・キャピタルワークス株式会社」ということになります。


この商品の運用成果に販売会社は直接は関わっていませんのでその点ご注意ください。
投資信託の見るべきポイント
投資信託では、何を見ればいいのか3点お伝えします。
Point 1. 運用手法・運用哲学を見る
前述の通り、投資信託には様々な種類の商品があります。
日本の成長株に投資するものもあれば、世界の AI 関連の株式に投資するもの、その他にも世界中の株式や債券・不動産などを満遍なく分散投資している投資信託などもあります。本当に数多くの商品があります。
ですので、まずその投資信託が「どこの」「何に」「どういった基準で」投資する投資信託なのかを見てください。
ひふみプラスを見てみるとこのように記載されています。


国内外の上場株式を主要な投資対象とし、市場価値が割安と考えられる銘柄を選別して長期的に投資します。
引用元:ひふみプラス交付目論見書(2020年12月19日)
ですので、ひふみプラスという投資信託の投資対象は、国内外の上場株式つまり「世界中の株式」、そして投資基準は「割安と判断した銘柄」ということになります。
これでこのひふみプラスは「世界中の割安な株に投資するファンドなんだなぁ」ということが理解できると思います。
また、このような運用手法で分けた場合、投資信託は「インデックスファンド」と「アクティブファンド」に大きくわかれます。
- インデックスファンド
-
指数に連動する運用を目指す投資信託。
- アクティブファンド
-
指数以上の運用成果を上げることを目的とする投資信託。
このように認識してもらえれば大丈夫です。
金融機関で提案される投資信託はだいたいアクティブファンドです。
ちなみにひふみプラスはどちらになるでしょうか?
正解はアクティブファンドです。
見れば分かると思いますので、一方のインデックスファンドの例も出しておきます。


「ニッセイ日経225インデックスファンド」こちらを参考にお話します。
インデックスファンドの場合、日経・TOPIX・インデックスなどが商品名に入ってることが多いので判断は難しくないと思います。
こちらの商品の運用手法を見てみましょう。


日経平均株価(225種・東証)に連動する投資成果をめざします。
引用元:ニッセイ日経225インデックスファンド交付目論見書(2021年5月15日)
と記載されています。
つまりこの商品は日経平均株価を基準として、同じ値動きを目指す投資信託ということになります。
たまに日経平均や TOPIX などの指数に直接投資できるとお考えの方もいらっしゃいますが、このような指数に直接投資することはできません。
ですのでこういった連動するインデックスファンドを購入することで、指数と同じ市場の平均値を取ることが可能となります。
整理すると、運用手法を見て「どこの」「何に」「どういった基準で投資するのか」まず一番にここみてください。
Point 2. 基準価額を見る
投資信託には「基準価額という一口あたりの値段」が設定されています。
ちなみに「価格」ではなく「価額」です。
運用がうまくいけばこの値段は上昇しますし、上手くいかなければ下落します。
投資信託は商品が作られると、いつも基準価額が1万円からスタートします。
これは株価のように毎秒変化するものではなく、一日に一回算出されます。
この数字も少し勘違いしやすいのですが、例えば同じ時期に運用を開始した日本株に投資する「ファンドA」と「ファンドB」があるとします。
1年後、「Aは基準価額が12,000円」「Bは基準価額が8,000円」となりました。
この場合、あなたはどちらのファンドを購入されますか?


これは「割安だからBを購入」という判断をしてはいけません。
投資信託の基準価格は、株価と違い割安・割高という考え方はしません。
この両者を比べると、「ファンドAの方が運用が上手い」「ファンドBの方が運用が下手」という見方をします。
基準価額の高い・安いに惑わされず、過去からの運用成績を見てしっかり判断しましょう。
ちなみにそういう点で考えると、過去の運用成績がわからない新発売の投資信託もおすすめしません。
その運用会社が上手いか下手かもわからないのに資金を任せるのは賢明ではありません。
「新発売」と聞くと良い様に感じますが、過去の運用成績が見れるファンドを選ぶことをお勧めします。
「新発売の投資信託を選んではいけない理由」については、以下の記事でも詳しく解説しています。


Point 3. 手数料を見る
投資信託には「購入時」「保有期間中」「売却時」この三つの時点で手数料がかかってきます。
購入時は購入時手数料、保有期間中は信託報酬、売却時には信託財産留保額、これらの費用が発生します。
- 購入時手数料
-
言葉の通り購入時にかかる手数料です。
- 信託報酬
-
管理費のようなもので、投資信託を保有している間ずっとかかります。
ただし、これは投資信託は中から差し引かれており、投資家が別口で支払う必要はありません。
基準価額にはこの信託報酬が差し引かれた値段が表記されています。 - 信託財産留保額
-
解約時にかかるペナルティのようなもので、投資信託は先ほど説明したように複数の投資家から資金を集めて運用をしています。
ですので、誰かが解約した際には運用資金を一部取り崩して投資家に資金を支払います。
それは売却したくない時に運用資金を取り崩すことになるので、そのペナルティとして一部のお金を残してファンドを解約しなさい、ということになっています。信託財産留保額のイメージ図
具体的にひふみプラスで見ていましょう。


購入時手数料が3.3%、少し複雑ですが信託報酬が年間大体0.9%、前後解約時の信託財産留保額はありません。
なので購入した際に3.3%、保有している間ファンドの中で年率0.9%前後が差し引かれていきます。
もう一方のニッセイ日経225インデックスファンドも行きましょう。


購入時手数料は無し、信託報酬が年率0.275%、信託財産留保額もありません。
こう見るとひふみプラスがとても高く感じてしまいます。
後者のインデックスファンドは指数に連動させる運用なので、運用責任者の相場観や運用の上手い・下手というのはあまり関係ありません。そういった理由から費用はかなり安くなっています。
もちろん安ければいいというわけでもありませんし、ひふみプラスのようなアクティブファンドも、手数料を支払った以上に運用成果が出せるのであれば購入を検討する理由にもなると思います。
インデックスファンドとアクティブファンド、どちらが良いのか?という議論については、また別の記事で解説したいと思いますが、インデックスファンドの注意点は以下の記事で解説しています。


投資信託のメリットとデメリット
最後に、メリットとデメリットにも少し触れておきます。
投資信託のメリット
投資信託のメリットは「分散ができる」「小口から始められる」大きくはこの二つです。
特に若い方には小口から始められるというのは非常に魅力的だと思います。
株式などを購入しようと思えば最低でも10万円以上はしますし、300万円以上の株も存在します。
これは手が出しづらいと思いますが、月々数万円からの給与天引きなどで資産形成するには投資信託は非常に有効だと思います。
投資信託のデメリット
デメリットに関しては「手数料が高い」これに尽きると思います。
決して手数料が悪いというわけではありませんが、それに見合った運用成果が得られるか、という部分を慎重に検討しなければなりません。
まとめ
細かいことを言い出すとキリがないですが、この3つを押さえておけば「その投資信託がどういったものか」という判断ができるようになると思います。今後のお取引を参考になれば幸いです。



それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。