
証券パートナーズの三好です。
今回は「預金を止めて投資を始めよう!現金預金のデメリット」というテーマでお話しします。
- まだ投資や資産運用を始めていない方
- 現金や貯金で満足してしまっている方
- なぜ投資を始めないと損をするのか知りたい方
コロナショックから早1年が過ぎ、改めて資産運用の必要性についてお話ししていきたいと思います。
2020年はみなさまの「資産運用」への関心が高まった1年間だったと思います。実際にネット証券の年間口座開設数も、過去最多件数でした。
ですので非常にアンテナ高く運用を始められた方もいらっしゃると思いますが、その一方でまだ始めていない、という方も大勢いらっしゃるかと思います。
今回はそういった、まだ始めていない方に向けて背中を押すような内容になればいいなと思います。
なぜ預貯金ではなく資産運用に取り組むべきなのか、分かりやすく解説していきます。
資産形成の基本
「資産を築く」とはどういうことなのか?式に表すとこのようになります。
資産 =(収入-支出)× 運用利回り
よく出てくる式になりますが、こちらの式が資産形成の基本になります。
前半の収入から支出を差し引いただけだと、ただの現金・貯金になります。
そして「具体的に何も運用していない」と言われる方は、この現金・貯金を普通預金や定期預金しか行っていないという方ですね。
普通預金・定期預金もリターンが全くゼロではありませんので運用利回りでいうと、年間0.01%ほど運用収益、利息が発生します。ネット銀行で条件が良い所は年間0.03%程度の利息はあります。それでも100万円を1年預けて300円です。
ただ、そういう見方をすると、定期預金も1つの資産運用と捉えることができると思います。
だから「資産運用していない」という人も「普通預金・定期預金」という資産運用をしているとも言えますね。
ではこの低金利の世の中で普通預金・定期預金はダメなのか?といわれると決して全くダメということではありませんが、普通預金・定期預金だけというお金の持ち方にもデメリットがあります。
一見減らなくて安全なように思えるかもしれませんが、それはそれでマイナスの部分がある!ということをしっかり理解した上で、それでも何もせず現預金だけで置いておくのか資産運用に取り組むのか、判断するようにしてください。
では具体的に現預金のデメリットについてお話しします。
現預金のデメリット①
「増えない」
当然のことですが、額面上『増えもしなければ減りもしない』というのが現預金の特徴です。
日本人が預金・定期預金を好む理由の1つとして昔からの名残とよく言われますよね。
当時は定期預金で預けておけば、毎年7%も利息が付く時代がありましたから、その慣習が今でも染みついていると言われます。これは特に70代以上の方々に多いですね。やはり今でも郵便局信奉が根強いと感じます。
ただ実際に定期預金の金利の推移を見ていただくと現状はこのようになっております。


1990年代までは定期預金の金利も年間5%以上ついていました。
この時代に100万円を1年定期にしておくと5万円の利息で105万円を受け取れました。
しかしバブルが崩壊し、2000年以降は1%も付かない時代が続いています。そして今後も金利が上がる可能性はかなり低いと思われます。
「なんとなく今までの流れで銀行預金に預けてしまっている・・」という方が多いですね。
当然のことながら『増えない』というのが現預金のデメリット1つ目です。
現預金のデメリット②
「価値が下がっていく」
デメリット2つ目は「価値が下がっていく」ということです。
”現金の価値が下がる”とよく言われますが、未だにどういうことなのか難しい!という方のために具体的にお話しします。
主に現金の価値が下がる理由として、増税と物価の上昇の2つが挙げられます。
増税によって現金の価値が下がる
まず増税からお話しすると、その名の通り、納める税金が値上がりすることですね。
みなさまの一番身近な税金である消費税を例に出すと、1989年に初めて導入され当時の税率は3%でした。
そこから1997年に5%、2014年に8%、2019年に10%というように増税されてきました。


また消費税だけでなく、相続税なども実質増税されています。
この増税が行われるたびにみなさまの現預金の価値は下がっています。
例えば消費税が8%の場合、100万円のものを購入するには108万円用意すればその商品が購入できます。
ただ消費税が10%に増税された場合では、同じ商品でも108万円では購入することができません。110万円を用意しなければ商品が買えませんね。つまり、増税前は108万で買えてたものが増税後は買えなくなるということです。
もっとシンプルに言うと、増税した分、現預金の価値が下がったということです。
8%から10%に増税した時、みなさまの現預金の価値は2%下がったと同じことなんです。
現預金1,000万は980万円分の価値になったということです。
そして加えて、今後ますます増税されることが予想されます。
下の図は、国税庁ホームページにも載っていますが、各先進国の消費税の比較になっています。


おそらく、日本の消費税10%は、他の国と比べて高いわけではない、ということが言いたいのだと思いますが昨今の日本の財務状況をみると、増税の可能性は大いにあると思います。増税によって現金の価値が下がっていることは十分にご理解ください。
物価の上昇によって現金の価値が下がる
もう1つの物価の上昇について。これは物やサービスの価格が値上がりすることをいいます。
最近は食料品や身の回りの生活用品などの価格が「なんとなく高くなってきたな」と感じることが増えてきたかと思います。
少し遡ると、20年前の私が小さい頃の記憶では自動販売機の缶ジュースが100円でしたが今では120、30円していますよね。
それ以外にも、昔はマクドナルドのハンバーガーが80円で、チーズバーガーが100円という時代がありました。今はハンバーガーが110円、チーズバーガーは140円です。約40%の物価上昇ですね。
食べ物ばっかりで申し訳ないのですが、実際に商品の価格は緩やかに上昇しています。
そういった商品やサービスが値上がりする時代に、それと同じように自分の資産も上昇していかないと、実質あなたの資産価値は減少していることになります。
ハンバーガーが80円から100円になっているときに、あなたの資産が80円のままであれば『資産価値が下がっている』ということになります。
アメリカと日本の比較
お話しが変わりますが、日本人に比べてアメリカ人の方が資産運用に積極的という話を聞いたことがあるかもしれません。
これは事実で、国民一人当たりの資産配分を見るとこのようになっています。


日本人とアメリカ人の個人資産の割合になります。
日本人は現預金が半分以上あり、株式・投資信託・債券などの運用資産に回している比率は全体の約15%程度になります。
その一方でアメリカ人の資産比率は現金の比率が少なく、半分以上を運用に回しています。事実としてアメリカでは資産運用が一般的となっています。
ではこのような国家間の違いがなぜ生まれたでしょうか?
「アメリカ人が豪快でギャンブル好きだから!」このようにお考えの方も多いようですが、実際はそうではありません。
この資産割合の違いは、物価上昇が原因です。
アメリカは日本以上に物価上昇が大きい国です。食料品、日用品、不動産など、あらゆる商品・サービスの価格が年々上昇しています。


平均的に毎年2%ずつ値段が上がっており、直近の30年間で物価は2.5倍になっています。
だから先ほどのお話しの通り、サービスや物の価格がガンガン値上がりするので現金を手元に置いていると大きく目減りしてしまいます。
商品やサービスの価格が上がると会社の売上が上がる、最終的に株価が上がる!そういうサイクルを繰り返しているのがアメリカならびに海外なんですね。
だからポートフォリオの中心を米国株、世界株にしましょうとお伝えしています。
お話しを戻すと、お金の価値が下がってしまう主な理由は『増税』と『物価の上昇』この2つです。
そして、今後も皆様が気づくか気づかないかのような推移で、この流れは継続していきます。
何もせずに5年10年過ごしていると「何となく値段が高いなー」と感じながら、目減りし続ける資産をただ消費するだけの使い方になってしまいます。
最低でも増税、物価が上がるスピードと同じように資産も増やしていく必要があります。
銀行預金に関してはリスクを取っていないようで、「何もしないというリスク」を取っていることをご認識下さい。
まとめ
資産形成の基本式は、「(収入-支出)× 運用利回り」です。
ただし普通預金・定期預金では運用利回りはほとんどありません。
決してそれがすべて悪いわけではありませんが、資産を預金だけにしているデメリットはご認識下さい。
特にお金の価値が目減りする原因は増税と物価上昇です。今後もその流れは継続すると考えております。
人生100年時代ですので、増やすだけでなく”資産を守る”という意味でも資産運用に取り組んでみてください。
“資産を守る”という意味で預金しているかもしれませんが、長い目で見れば本当に守れているのかはわかりません。改めて考えるようにしてみてください。
「預金をやめて投資しよう!」と思われた方は、以下の記事もあわせてご覧ください。





それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。