
証券パートナーズの三好です。
今回は「50代・60代の平均貯金額と老後のライフプラン」についてお話しします。
- 50代・60代の平均値を知りたい方
- まだ資産運用していない方
- 老後に向けたライフプランを立てたい方
2021年1月に行われた金融広報中央委員会のアンケート調査をもとに、50代・60代の方々のお金に関するデータを見ながら、老後生活に向けての考え方・資産運用の方法についてお話ししていきます。
50~60代の貯金額
では早速ですがアンケート調査のデータを見ていきましょう。
2020年1月から2021年1月の1年間で、約8,000世帯の調査をもとに発表された数字になります。
まずは50・60代の方の金融資産の保有額についてみていきましょう。
貯蓄額 | 中央値 |
---|---|
50代 | 800万円 |
60代 | 875万円 |
50代資産額の中央値は800万円、60代の中央値で875万円となっています。
これは世帯での集計になります。ご夫婦の場合は2人合わせてということになります。
また金融資産での回答になりますので、自宅などの不動産はカウントしていない数字になります。
この中央値というのは、もし同級生が100人いるとすれば、その同級生のうち50番目の方の数字を中央値といいます。
50~60代世代のちょうど真ん中の人がこれくらい持ってますよという数字ですね。
もちろんこれ以上保有されてる方もいらっしゃいますし、この数字に届かない方もいらっしゃるかと思います。
実際に数字を見て、みなさまはどのように感じられるでしょうか?
800万円・875万円というのもある程度まとまった金額ではありますが、これから退職して収入が減る中、老後生活を過ごしていくには少し心もとないと感じる人は多いのではないでしょうか。
以前、2000万円問題というのが話題にあがりましたが、大半の方が2000万円も資産を保有しないまま老後生活を迎えるという状態ですね。
2000万円問題については、以下の記事でも解説しています。


またこちらは先ほどとは違う調査になりますが、何歳まで仕事を続けたいかというアンケート調査の結果になります。


多くの方が65歳から69歳まで仕事を続ける意欲を持っており、70代前半まで仕事をしていたいという方もいらっしゃることがわかります。
ただ、この調査は色々な見方ができると考えています。
「65歳を過ぎても社会との繋がりを持ちたいから仕事を続けていきたい」という前向きな意味なのか、もしくは「仕事を続けなければ生活がやっていけない」という金銭的な理由での仕事がしたいなのか・・・。
同じ「仕事を続けたい」ですが、大きく意味合いは変わってくると考えています。
できれば前者のように、余裕をもって仕事に取り組めるほうが豊かな老後生活を送れるのではないかと思います。
そこで重要になってくるのが『将来を見据えた老後準備』になります。
老後準備と言ってもすごく大げさなことをする必要はなく、行うことはシンプルです。
今現在の収入と支出を把握し、年間でいくらぐらい貯蓄に回せるのかをご自身で計算してください。
そして貯蓄から可能な分を運用に回していく。やることとしてはその程度です。
では具体的に順を追って解説していきます。
将来のための老後準備①
「自分の資産を把握する」
当然のことながら、今現在の自分の資産と月々の収入支出を把握するようにしてください。
実際私もお客様からご相談いただく際には、ご本人の資産額などをあらかじめ整理してお話ししていただくようにしています。
何百円単位まで計算する必要はありませんが、大まかには把握しておくようにしましょう。
まず今の時点で、
- 自分の資産がいくらあるのか
- 月々の収入はいくらで、どのぐらい支出があるのか
そこを整理してからがスタート地点 です。
将来のための老後準備②
「支出を減らし収入を上げる」
以前にも何度かご覧になって頂いてますが、資産というのは式で表すと以下のようになります。
資産の計算式
(収入ー支出)× 運用利回り
収入から支出を引いて残った部分が貯蓄として資産になります。
ご自身の資産を増やしていくためには、この計算式が黒字にならなければいけません。
そのためには支出を小さくし、収入を大きくする必要があります。
まず支出を小さくするには、ご自身のお金の流れを把握した上で、無駄に使っているお金を減らす努力が必要です。
厳しく節約する必要はないと思いますが、無駄に支払っているお金などないか見つめ直すようにしましょう。
そして収入を大きくするということですが、これは人によって様々だと思います。
副業をしたり、本業の収入を上げる。大まかにはこの二通りになります。
ただ50~60代という年齢になってくると、収入を上げるというのは誰にでもできるわけではないと思います。
無理なくご自身にあった方法を考えてみてください。
今お話しした方法で、支出を下げて収入を大きくすることにより、結果として貯蓄に回せる金額が大きくなります。
この辺りのお金周りを整理した上で最終的には3つ目に移ります。
将来のための老後準備③
「貯蓄から投資に回す」
今までお話しした①番と②番を行うことで、ご自身のお金周りがすっきりし、月々の貯金も意識できることと思います。
ただ、貯金することは大事なのではありますが、それだけでは資産は増えませんし、以前からお話ししているようにむしろお金の価値は減ってしまいます。
主な理由はインフレ、そして増税ですね。
お金の価値が減るというお話については、こちらの記事でも詳しく話していますので是非ご覧いただければと思います。


実際先ほどの調査でも「投資・資産運用に対する意識」というデータもあり、50~60代の方では約3割程度の方が「運用に取り組んでいる」もしくは「取り組もうと考えている」。
残り7割の方が「全く投資しようとは思わない」と回答しています。
積極的に投資したい | 一部投資したい | 投資しない | 無回答 | |
---|---|---|---|---|
30代 | 7.8% | 40.3% | 50.2% | 1.7% |
40代 | 8.7% | 35.5% | 55.2% | 0.6% |
50代 | 3.2% | 27.8% | 68.3% | 0.7% |
60代 | 2.0% | 22.6% | 72.9% | 2.5% |
その一方で、30代~40代の方では約50%ずつという回答になっており、若い人ほど運用に対するハードルが低く、投資やお金に対する意識の高さが表れています。
このギャップには様々な要因や背景がありますが、終身雇用の保障がないことなど、若い世代の方が将来への危機意識が高いのかなとは思います。
そしてお話しを戻しますが、何も増えない現金・定期預金から、資産運用にお金を回すことで将来の老後準備を行います。
まだ資産運用に取り組んでいない方に向けて、現実的なシミュレーションをご覧いただこうと思います。
資産運用シミュレーション


例えば運用を開始する際に、初期投資額として500万円、そこに毎月5万円ずつの積立投資。
年間の運用利回りは5%という想定でシミュレーションした場合、10年後には約1600万円まで資産額は増えていきます。
これを15年続けると約2400万円になります。
もちろん運用利回り5%という点はあくまでシミュレーションにはなりますが、世界的に株式市場は年5~7%で上昇しています。
しっかりとした商品を選び、長期的な目線で取り組むと、これを上回る数字になる可能性も十分にあるかと考えています。
そのほか、最初の投資元本や月々の積立金額を大きくすることで運用成果はより大きくなりますし、運用期間(時間)を伸ばすことによっても成果を期待することは可能です。
ですので何度もお伝えしている通り、時間を味方につけてできるだけ早くに資産運用に取り組むことをお勧めします。


まとめ
50代、60代の平均貯蓄額は800万円と875万円です。
これだけ見ると老後生活には少し心もとないですね。
豊かな生活を送るためには早い段階からの老後準備が重要になります。
言葉の通り、現在の資産 ・収入・支出を把握するようにしましょう。
無駄遣いを減らし、可能であれば収入を上げる方法を考えてみましょう。
そうすることによって最終的には月々の貯蓄に回せる金額が大きくなります。
現金円預金で置いているだけでは資産は増えません。むしろ価値としては減る一方です。
なるべく早く資産運用に取り組むことで長く運用することができ、恩恵を受けられる可能性が高まります。
豊かな老後生活を目指して意識するようにしてみてください。



それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。