
証券パートナーズの三好です。
今回は「50代・60代の方向けに、やってはいけない資産運用」
ということでお話しします。
- 50代・60代で資産運用をお考えの方
- 元証券マンがやってはいけないと痛感する資産運用を知りたい方
- 個別株式か投資信託どちらが良いのか分からない方
昨年(2020年)からの株高の影響もあり、資産運用を始めようかな、とご検討されている方は多くいらっしゃるかと思います。
今回はその中でも、定年退職前後の50代・60代の方が気を付けるべき、やってはいけない資産運用について解説していきたいと思います。皆様の投資の参考になるかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
50代・60代がやってはいけない資産運用の基本
基本的に「50代・60代以上」の方々の資産運用のテーマとして「リスク分散」が一番重要だと考えています。
言い換えると「大きく減らさない」資産運用が大切だと考えています。
全くリスクを取らないということは投資の世界ではありませんので、リスクは取るのですが過度にリスクを取りすぎないことが重要です。増やすことも大切ですが、それ以上に守ることが大切ですので、そういった観点でご覧いただければと思います。
NG.1 高すぎる目標設定
人生において目標というのは非常に大事なことではあるのですが、資産運用に関してはあまり高く設定しすぎるのはおすすめしません。
ご相談くださるお客様でもたまにいらっしゃるのですが、「投資金額を1年で2倍にしてください」とか「毎月10%の配当金をもらいたいです」という方が稀にいたりします。
実際、昨年2020年からの株価の上昇を知っていると「株をやれば誰でもそれくらい儲かる」という風に考えている方も少なからずおられますが、昨年「2020年は特別な1年だった」と個人的には考えています。


こちらのチャートは定期的にご覧になっていただいておりますが、株式投資の平均的な上昇率は1年間で5~7%とされています。
2020年は、株式投資で億り人になったとか結構話題になっていましたが、それはあくまで2020年の話であって、毎年そうなるわけではありません。
ですので、皆様の期待を少し削いでしまうかもしれませんが、平均的に考えると1年間で1~2割増えたら全然ラッキーくらいで考えておいた方がよろしいかと思います。
あくまで世界的な平均値は毎年5%前後の上昇だとお考え下さい。逆にこの数字を大きく上回る運用成果を保証しているような投資は何かリスクを大きく孕んでいる可能性が高くなります。
そう考えれば、「100万円で配当生活」みたいな投資詐欺にも騙されなくなるかと思います。
私もお客様には、5年~10年かけて2倍にするイメージでお付き合いいただいております。
7%が10年間続くとで2倍になります。それくらいの目標設定が基本的な水準かと思います。
目標を高く設定して、それを本当に達成しようと思うのであれば、
- 投資金額を大きくするか
- リスクを大きく取るしかありません
50代、60代以上の方には、果たしてそこまで必要なのか?ということも含めて運用に取り組んでいただければと思います。
NG.2 極端な集中投資
具体的には「投資先を分散しましょう」ということですね。
やはり「減らさない」という観点から見れば、少ない投資対象に集中して投資するのはリスクが高くなりがちです。
例えば、相場状況にもよりますが投資信託で2割以上下がるということは頻繁に起こることではありません。
それに対して、個別株式は平気で1~2割は動きます。
個別株式は、その値動きの大きさが魅力でもあるのですが、50代・60代以上の方の場合、株に大きく投じてしまうのは、あまりおすすめしていません。
もちろん資産状況は人それぞれですし、株の売買自体を楽しんでいる方も一定数いらっしゃるので、それを否定するつもりはありません。ただ、「しっかりと資産を増やすぞ」と地に足つけて運用される方には、投資信託などを組み入れながら分散投資することをお勧めします。
NG.3 分からないものに投資する



今回、私が一番お伝えしたかったのがこれです。
私が今まで見てきた中で大きく損している方というのは、ほとんどこれにあてはまります。
純粋に運用商品に投資して残念ながらお金が減っちゃった、という場合でも、損失額というのは悪くて3割から4割くらいだと思います。
もちろん相場状況にもよりますが、リスク管理しながら運用していて、投資資金が半分以下になったり、ゼロになってしまうということはかなり珍しいです。ただ、かなり珍しいですが、この大損に当たっちゃうと「大けがする」ということですね。
そして、これに当てはまる方というのは投資内容をはっきりと理解していないまま、良いところばかり聞いて大きく投資していることが多いです。実際は投資だけでなく生命保険や不動産、仮想通貨などでも同じ事は多く見られます。
少しお話しが逸れますが、「投資で騙される訳ないじゃない」と思っている方でも、生命保険に関しては無駄に支払っている方はかなり多くいらっしゃいます。10人いれば、8人は無駄な保険に加入されていますね。
これを防ぐにはいくつか方法があります。
- 自分で勉強する
- 少額から始める
- 本当に信じられる専門家に相談する
もし投資を始められる場合、この3つのいずれかは守るようにしてください。これをしなかった場合に大けがすることがありますので簡単に説明します。
自分で勉強することは非常に重要
まず1つ目、当たり前のことですが「自分で勉強する」ことは非常に重要です。
隅々まで事細かく勉強しなくてもいいですが、ご自身の投資内容について全体像は把握できるようにしましょう
ご自身で始められる場合は、少額から始める
そして2つ目は、ご自身で始められる場合は「少額から始める」ようにしましょう。
追加は後からでもできますので、ご自身があまり理解できていないとお考えであれば、まずは小額から始めるようにしましょう。
信頼できる専門家に相談する
最後の「信頼できる専門家に相談する」についてですが、これは自分で勉強する手間や時間という有限のリソース、またその専門家の知識や経験をお金で買うと言うことになります。
ただこの専門家が、専門家でありながら質の悪いセールスであることが往々にしてあります。
この見極めに関しては、絶対的な方法があるわけではありません。
もちろん知識や経験、実績が必要なのは当然ですが、最後は「人間性」で判断するしかないかと思っています。
私に限らず、「この人とだったら長くお付き合いしていきたい」と思える人と一緒にできるといいですね。
わからないもの・初めての投資の場合は、
- まずは自分で勉強する
- 少額から始める
- 本当に信じられる専門家に相談する
このいずれかは守るようにしましょう。
まとめ
「50代・60代がやってはいけない資産運用」
この年代の方々のテーマは「大ケガしない資産運用」です。
世界的な株式投資の収益平均値は1年間で5~7%です。
1年で1割増えたら十分ラッキーくらいの気持ちで臨んでいきましょう。
「減らさない投資」を重視するのであれば、投資先は集中し過ぎないようにしましょう。
具体的にはファンドなどを組み合わせて分散させます。経験や資産規模にもよりますが、個別の株式投資は比率を控え目に取り組まれることをお勧めします。
極端に損してしまうのは、「騙されたり、悪いセールスマンに捕まってしまう」場合です。
初めて投資する場合は、「自分で勉強する」「小額から始める」「そうでない場合は信頼できる専門家に相談する」このどれかは守るようにしましょう。
また、「50代以上が購入してはいけない金融商品4選」については以下の記事で解説していますので、ぜひあわせて参考にしてください。





それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。